「そろそろマイホームを買いたい」と検討し始めた時、避けては通れないのが住宅ローンの利用です。 しかしながら という人も多いのではないでしょうか。 確かに住宅ローンの仕組みは複雑です。 だからといって理解不足のまま借入れしてしまうと、お得なプランの見落としや返済破綻の恐れが出てきます。 人生の大半を費やすほどの大きな買い物ですから、基本的な知識を抑えておくことが大切ですよ。 住宅ローンとは、マイホームの購入資金を金融機関から借りることです。 お金を借りる人は金融機関に対し、借りた金額(ローン元金)とは別に「利息」を支払う必要があります。 この元金と利息の合計額を、毎月少しずつ返済していくのが住宅ローンです。 住宅ローン返済額の仕組み ローン元金(借入金額)+利息=返済額 利息を計算する際に使われるのが、住宅ローンの「金利」です。 金利にはいくつかのタイプがあり、また金融機関によって金利は異なります。 金利は「とにかく低くしたほうがお得」と思うかもしれませんが、一概に低金利がいいとは言えません。 なぜなら、金利が低くても諸費用が高かったり、途中で金利が上がるリスクがあったりすることがあるからです。 住宅ローンには、以下3つの金利タイプがあります。 金利タイプによって仕組みは異なります。 それぞれメリット・デメリットをふまえて解説していきましょう。 借入れ当初から返済期間終了まで、金利の変わらない金利タイプが固定金利です。 固定金利のメリット・デメリットを以下にまとめましたので、ご覧ください。 固定金利のメリット 固定金利のデメリット 固定金利の特徴は、金利も返済額もずっと一定という「わかりやすさ」と「安心感」にあります。 また金利が高めに設定されているとはいえ、現在、過去に例を見ないほど金利が下がっています。 返済期間の長さを考えると一概に「固定金利は高い」とは言えないでしょう。 借入れ時点の金利が、半年に一度見直される金利タイプが変動金利です。 変動金利のメリット・デメリットを以下にまとめましたので、ご覧ください。 変動金利のメリット 変動金利のデメリット 変動金利は3つの金利タイプのうち、最も低金利に設定されています。 ただし、金利は半年に一度見直されるため変動金利の金利が約束されているのは、借入れ当初半年間だけです。 常に金利上昇の不安がつきまとう点は、変動金利のデメリットと言えるでしょう。 上記の仕組みがあるため、変動金利でも急激に返済額が上がることはありません。 ただ、これらのルールを超えて上昇した利息分は、支払わなくてもよいというわけではありません。 支払い切れなかった金額の利息は、未払い利息として将来に繰り越されることになるのです。 変動金利の低金利は非常に魅力的ですが、仕組みは少し複雑なので、よく理解したうえで利用することが大切です。 借入れから一定期間だけ金利が固定されるタイプが、固定金利期間選択型です。 金利が固定される期間は2年、3年、5年、10年などがあり、ご自身のライフプランにあわせて選べます。 メリット・デメリットを以下表にまとめましたので、ご覧ください。 固定金利期間選択型のメリット 固定金利期間選択型のデメリット 固定金利期間選択型は、変動金利と固定金利の良い部分を掛け合わせた金利タイプです。 金利の固定期間を任意で選択できるため、 といったライフプランにあわせて利用することができます。 ただし固定金利期間選択型には、変動金利にある「5年ルール」のような、契約者の負担を抑える仕組みがありません。 住宅ローンは、元金と利息の合計額を毎月少しずつ返済していくものです。 この「元金と利息」の返済方法には、以下の2つがあります。 それぞれ何がどのように異なるのか、詳しくご説明していきますね。 元金と利息の割合は変化していきますが、返済額が一定になるのが元利均等返済です。 家計の見通しを立てやすく返済額も変わらない安心感があるため、一般的にも元利均等返済を選ぶ方が大半です。 元金均等返済は、一定の元金を払っていく返済方法です。図のように元金の残高に応じて利息が変わっていくため、毎月の返済額は少しずつ減っていきます。 元金の減りが早いため、元利均等返済よりも住宅ローンの総返済額は少なくなるというメリットがあります。 ただし、住宅ローンの組み方によっては数万円しか変わらないこともあります。 元金均等返済のデメリット 元金均等返済方法にはこれらのデメリットもあります。 メリットである「総返済額の差額」がどれくらいなのかを確認し、デメリットとバランスを取りながら検討していくことが大切ですよ。 住宅ローンは主に以下3つの種類に分けることができます。 これら機関によって商品の仕組みも違ってきます。 それぞれの特徴を見ていきましょう。 国や自治体など公的機関が提供している住宅ローンを、公的融資と呼びます。 公的融資の種類は、大きく分けて以下の2つです。 公的融資の種類 それぞれ簡単にご説明していきますね。 勤務先の財形貯蓄制度を通じて借り入れできる公的融資が、財形住宅融資です。 主な利用条件は、以下のとおりです。 財形貯蓄制度の利用条件 一定の利用条件を満たせば、低金利で住宅融資を受けられるのが特徴です。 ただし最近では、民間の金融機関も軒並み金利を引き下げているため、財形住宅融資の金利が特別低いとは言えない状況になっています。 また金利は5年ごとに見直しがあり、勤務先を通じての利用となるため安易に転職しにくいというデメリットもあります。 自治体融資各地方自治体で独自に用意されている住宅ローンで、特定の民間金融機関と提携し、低金利の融資を提供する形が一般的です。 例えば東京都荒川区では、「街づくりの協力者」を対象に、ろうきん(労働金庫)と提携した低金利の住宅融資事業を行っています。 ただし、制度の有無や内容、利用要件は各自治体により異なります。 ネット銀行、地方銀行、メガバンクといった多くの金融機関が提供する民間融資は、利用者にとって一番馴染みのある住宅ローンといえるでしょう。 民間融資のうち、不動産会社やハウスメーカーと金融機関が提携して提供する商品を「提携ローン」それ以外を「非提携ローン」と言います。 それぞれの詳細は下記のとおりです。 提携ローンと非提携ローンの概要 提携ローンは利用しやすいのがメリットですが、提携しているからといって金利や諸費用が一番低いわけではありません。 非提携ローンの中からご自身にとって好条件の住宅ローンを選ぶことも可能ですよ。 ただし、提携ローンのように不動産会社が仲立ちしてくれるわけではないので、利用時はよく比較検討するようにしましょう。 民間金融機関と住宅金融支援機構が提携し提供する、ハイブリッド型の住宅ローンをフラット35と言います。 フラット35の特徴は、以下の5つです。 フラット35の特徴 一般的なフラット35は、民間金融機関が販売し、住宅金融支援機構が債権者になる「買取型」の仕組みを採用しています。 買取型の場合、基本的な商品性はどの金融機関で申し込んでも同じです。 一方、少数の金融機関でしか取扱いのない「保証型」では、債権者が民間金融機関になります。 商品内容に関しても金融機関によって大きく異なるので、利用する際は利用条件や金利等をしっかり確認しておくことが大切ですよ。 住宅ローンのお得度は、金利面だけでは測れません。 なぜなら住宅ローンには金利以外にも様々な要素が絡んでくるからです。 特に注意すべきポイントは、以下の3つです。 お得に住宅ローンを組むために注意すべき点 それぞれ住宅ローンを組む上で欠かせないポイントです。 わかりやすく解説していきましょう。 住宅ローンを借りる金融機関によって、融資手数料や保証料などの諸費用の金額は異なります。 主な諸費用は以下のとおりです。 諸費用の中で最も大きな割合を占めているのは、融資手数料と保証料です。 したがっていくら金利が低くてもいずれかの諸費用が高額に設定されている場合、総返済額が割高になる可能性もあります。 毎月の返済額と諸費用も含めた総返済額を比較したうえで、本当にお得な住宅ローンかどうかを判断しましょう。 住宅ローンを組む際は、以下の保険を検討しなければなりません。 住宅ローンを組む際に検討すべき保険 団信の加入先によって保障内容は異なります。 また保障の内容は近年多様化していますので、しっかり確認しておかなければなりません。 住宅ローンを組むと、契約者によっては住宅ローン控除やすまい給付金といったお得な制度を利用できます。 住宅ローンのお得な制度 住宅ローンの仕組みは複雑ですが、基本のポイントさえ理解しておけば、ご自身に合った商品を選びやすくなります。 特に重要なポイントは以下の3点です。 簡単にまとめると 住宅ローンの選び方に明確な正解はありません。 ご家庭のライフプランや価値観にあわせて優先順位をつけ、使いやすいものを選ぶようにしましょう。
【超初心者向け】住宅ローンの仕組みや種類をわかりやすく解説!
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住宅ローンとは
詳しい仕組みは次項で解説していきますので、金利だけで住宅ローンを選ばないように気をつけてくださいね。
金利の仕組み
返済期間中、金利は変わらない
半年に一度、金利の見直しがある
選択した期間中(借入れ当初5年など)の金利が固定される
固定金利
変動金利
金利が上がっても、5年間は月々の返済額は変わらない(据え置きになる)
返済額の上昇幅は、前回返済額の125%までに抑える(据え置きになる)
固定金利期間選択型
(変動金利or固定金利期間選択型)
子育て期間中は金利変動リスクを避けたい
返済方法の種類
毎月支払う返済額が一定
返済が進むにつれて、返済額が減っていく
元利均等返済
元金均等返済
コスト面で元金均等返済を選ぶ際は、以下のデメリットを理解したうえで検討してくださいね。
住宅ローンの種類
公的機関が提供している
民間の金融機関が提供している
民間の金融機関と公的機関が共同で提供している
公的融資
勤務先の財形貯蓄制度で積み立てている人のみ利用できる融資制度
各自治体が独自に行う融資制度
財形住宅融資
(自営業者は利用不可)
自治体融資
利用時には条件をよく確認し、民間金融機関の条件と比較しつつ検討しましょう。
民間融資
公式ホームページ上で案内されていない独自のプラン。
不動産会社などが金融機関との間に入って手続きをしてくれるため審査に通りやすく、利便性は高い
一般販売されており、ホームページ上でも詳細を確認できる。
提携ローンのように第三者が間に入ってくれることはないので、利用者自身で選ばなければならない。
選択肢が多いので、より良い条件の住宅ローンを見つけられる可能性もある
フラット35
お得に住宅ローンを組むために
注意点①融資手数料など借入機関によって異なる諸費用
比較項目
地方銀行
都市銀行フラット35
ネット銀行
融資手数料
(事務手数料)3万円+消費税
借入金額×2%+消費税
保証料
借入金額によって変動する
―
(フラット35のみ)
物件検査手数料―
検査機関や物件によって変動するが
3万円~10万円程度
(地方銀行・都市銀行でも、ネット銀行と同タイプも有)
住宅ローンを組むにあたって検討すべき保険
契約者に万一のことが起きたとき、その時点の住宅ローン残高が保険金で保障される制度。
民間金融機関では、原則として加入が義務付けられている。
フラット35(買取型)の場合は任意加入となる
火災や地震など、住宅が自然災害にあったときに備えて加入する保険(※地震保険は単独での加入はできず、火災保険にセットで加入する)。
火災保険は、原則として住宅ローンとセットでの加入が必要
家族とよく話しあって必要な保障に優先順位を付け、保険料を比較しつつ検討してください。
住宅ローン控除などの制度を利用しよう
住宅ローンの残高に応じて、契約者の所得税と住民税が10年~13年間軽減される税優遇制度。
毎年の年末時点の住宅ローン残高を基準に計算されるため、節税効果が高い。
住宅ローンの借入金額や税金額が高い方ほど、節税額は大きくなる。
住宅購入時に数十万円の給付金を受け取れる制度。
給付金の支給は一度きりで、契約者の所得額に応じて給付金額が異なる。
いずれも期間限定の制度であり、利用するためには一定の条件を満たさなければなりません。
まとめ
金利の変わり方によって、「変動金利」「固定金利」「固定金利期間選択型」の3つがある。
将来的な金利変動によって総返済額も変化するため、現時点で何がお得になるかはわからない
元利均等返済と元金均等返済がある。
総返済額が少ないのは元金均等返済だが、返済額が一定で使いやすいのは元利均等返済
大きく分けて「公的融資」「民間融資」「フラット35」の3種類がある。
公的融資は使える人が限られており、広く一般的に利用しやすいのは民間融資とフラット35
それぞれの特徴を理解し、ベストな選択のための判断力を養っていきましょう。